×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
こんにちは。
前回は下一段活用の動詞(※「蹴る」の1語だけでした)について学習しました。
今日は9種類ある動詞の活用の型のうち7つ目、5つある正格活用でいえば、上一段活用、下一段活用に続いて3つ目の、
上二段活用
について学習しましょう。
上二段活用に属する動詞なのですが、これは覚える必要はありません。
数が多すぎて覚える意味がありません。
活用表を示しますので、まず、こちらを覚えてください。
何度でも書く、口で唱える、ドリル(※最後に添付)を解くなどして条件反射でサッと出るようにしておきます。
この活用表に即して、上二段活用の動詞は活用します。
上二段活用の動詞「起く」を例にして、具体的な活用表を作成してみましょう。
「起く」の「起」は語幹として活用しない部分、「く」が活用語尾として変化する部分に当たりますので、
となります。
「起く」の活用語尾の「く」が、最初に示した活用表のローマ字のところに即して、変化している様子をよく確認してくださいね。
念のため、もう一つ上二段活用の動詞「落つ」を使った活用表を示しておきます。
さて、ここで未然形が最初の表では“i”になっていること、また同じく「起く」「落つ」の未然形では「起き」「落ち」になっていること、すなわち上二段活用は未然形がイ段音の文字で終わること、に注意してください。
最初に私は、上二段活用に属する動詞は覚えなくていい、と書きました。
実は、この未然形がイ段音であることに着目して、上二段活用であることを判断するんです。
具体的な手順としては以下のようになります。
1.文中から動詞の見当をつける。
2.活用の型を覚えておくべき動詞については暗記していることで型を判断する。
3.残りの、属する活用の型を暗記する必要のない動詞、については未然形にしてみる。
4.(未然形にする方法は打消の助動詞「ず」を動詞の直後につけて、それに合うように動詞を変化させてみるとよいのです)
5.未然形がイ段音の文字で終われば、それは上二段活用であると判断できる。
具体例で確認してみます。
古語で「落つ」という動詞があります。
カ変・サ変・ナ変・ラ変のいずれでもないですし、上一段活用、下一段活用でもありません。
よって、「ず」を接続させて未然形を割り出してみます。
「落ち・ず」となりますね。
「落ち」が未然形です。
「ち」はイ段音の文字なので、「落つ」は上二段活用であることがわかります。
なお、ほとんど上記の方法で判断できるのですが、例外的に判断が困難な動詞もあります。
それらは覚えておくしかありません。
具体的には、「恨む」と「忍ぶ」は、上二段活用と覚えておくしかありません。
なぜなら、「ず」をつけて未然形を判断しようとすると、「恨ま・ず」、「忍ば・ず」としてしまって、未然形がア段音になってしまいます。
ですが、「恨み・ず」、「忍び・ず」が正解で、イ段音ですから、上二段活用なんです。
これは難しい。
ちなみに、東京の上野に「忍ばずの池」がありますが、あれは古典文法に即してはいないのですね。
「行」の判断は、例えば、今見た例でいえば、「ず」の前の文字の行で判断します。
「恨み」は「み」でマ行、「忍び」は「び」でバ行ですね。
もちろん、基本形(※終止形)がわかっていれば、その最後の文字で判断してもかまいません。
「恨む」は「む」でマ行、「忍ぶ」は「ぶ」でバ行ですね。
ただ、最初のうちは基本形(終止形)があらかじめ示されていないと、基本形(終止形)はわからないと思います。
ここで、上二段活用の動詞の基本形(終止形)について考えてみましょう。
上で「起く」、また「落つ」という動詞を挙げましたが、これは現代語としては変ですね。
現代語では「起きる」、また「落ちる」です。
上二段動詞については古語と現代語では基本形(終止形)が一致しないんです(※「恨む」「忍ぶ」はこの点でも例外)。
ですから、最初は基本形(終止形)をけっこう間違えます。
それが原因で活用の型も間違えます。
では、どうすれば、基本形(終止形)がわかるのでしょうか。
まず、いったん現代語の基本形(終止形)にしてみてください。
上の例では「起きる」「落ちる」ですね。
そうしても、活用の型は間違えません。
例えば、「起きる」、また「落ちる」でも、「ず」をつけてみると、「起き・ず」、また「落ち・ず」となって、未然形がイ段音ですから上二段活用と判断できますね。
もし、「起きれ・ず」としてしまったのなら、「起きれず」は「起きることができない」の意味で、可能の意味が加わっているので、こういうのはダメなんです。
ここで、最初に、覚えてください、と書いた活用表を思い出しましょう。
再掲します。
未然形がわかると、基本形(終止形)もわかることに気がつきましたか。
未然形は“i”で、終止形は“u”になっていますね。
ですから、「起き」ではイ段音の「き」をウ段音の「く」に、すなわち「起く」にすれば、それが基本形(終止形)なんです。
「落ち」ではイ段音の「ち」をウ段音の「つ」に、すなわち「落つ」にすれば、それが基本形(終止形)なんです。
ですから、上二段活用であることと未然形がわかれば、基本形(終止形)も、実はわかるんです。
最後に上二段活用の動詞で、ヤ行の動詞、以下3つ覚えておきましょう。
「老ゆ」「悔ゆ」「報ゆ」
の3つです。
なぜかというと、例えばこれらが未然形の時など「老い」「悔い」「報い」となって、ア行かヤ行か区別がつかないのですね。
おっと忘れてました、なぜ上二段活用と呼ばれるのか、説明しておきましょう。
活用表をまたまた掲示します。
“i”と“u”で活用していますね。
つまり、イ段音とウ段音で活用しています。
五段音を縦にして考えてみると、ウ段音は真ん中ですが、イ段音も合わせて考えてみると、全体的には上の方です。
上の方の二段音を使って活用するので、
上二段活用
なんです。
さて、以上で上二段活用の学習は終わりです。
9つある活用の型もあと残り2つです。
次回は、残りの2つのうちの1つ、下二段活用について学習します。
今回も、問題を解いて体得して、次に進みましょう。
(問題は後日添付)
前回は下一段活用の動詞(※「蹴る」の1語だけでした)について学習しました。
今日は9種類ある動詞の活用の型のうち7つ目、5つある正格活用でいえば、上一段活用、下一段活用に続いて3つ目の、
上二段活用
について学習しましょう。
上二段活用に属する動詞なのですが、これは覚える必要はありません。
数が多すぎて覚える意味がありません。
活用表を示しますので、まず、こちらを覚えてください。
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
i | i | u | uる | uれ | iよ |
何度でも書く、口で唱える、ドリル(※最後に添付)を解くなどして条件反射でサッと出るようにしておきます。
この活用表に即して、上二段活用の動詞は活用します。
上二段活用の動詞「起く」を例にして、具体的な活用表を作成してみましょう。
「起く」の「起」は語幹として活用しない部分、「く」が活用語尾として変化する部分に当たりますので、
基本形 | 語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
起く | 起 | き | き | く | くる | くれ | きよ |
となります。
「起く」の活用語尾の「く」が、最初に示した活用表のローマ字のところに即して、変化している様子をよく確認してくださいね。
念のため、もう一つ上二段活用の動詞「落つ」を使った活用表を示しておきます。
基本形 | 語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
落つ | 落 | ち | ち | つ | つる | つれ | ちよ |
さて、ここで未然形が最初の表では“i”になっていること、また同じく「起く」「落つ」の未然形では「起き」「落ち」になっていること、すなわち上二段活用は未然形がイ段音の文字で終わること、に注意してください。
最初に私は、上二段活用に属する動詞は覚えなくていい、と書きました。
実は、この未然形がイ段音であることに着目して、上二段活用であることを判断するんです。
具体的な手順としては以下のようになります。
1.文中から動詞の見当をつける。
2.活用の型を覚えておくべき動詞については暗記していることで型を判断する。
3.残りの、属する活用の型を暗記する必要のない動詞、については未然形にしてみる。
4.(未然形にする方法は打消の助動詞「ず」を動詞の直後につけて、それに合うように動詞を変化させてみるとよいのです)
5.未然形がイ段音の文字で終われば、それは上二段活用であると判断できる。
具体例で確認してみます。
古語で「落つ」という動詞があります。
カ変・サ変・ナ変・ラ変のいずれでもないですし、上一段活用、下一段活用でもありません。
よって、「ず」を接続させて未然形を割り出してみます。
「落ち・ず」となりますね。
「落ち」が未然形です。
「ち」はイ段音の文字なので、「落つ」は上二段活用であることがわかります。
なお、ほとんど上記の方法で判断できるのですが、例外的に判断が困難な動詞もあります。
それらは覚えておくしかありません。
具体的には、「恨む」と「忍ぶ」は、上二段活用と覚えておくしかありません。
なぜなら、「ず」をつけて未然形を判断しようとすると、「恨ま・ず」、「忍ば・ず」としてしまって、未然形がア段音になってしまいます。
ですが、「恨み・ず」、「忍び・ず」が正解で、イ段音ですから、上二段活用なんです。
これは難しい。
ちなみに、東京の上野に「忍ばずの池」がありますが、あれは古典文法に即してはいないのですね。
「行」の判断は、例えば、今見た例でいえば、「ず」の前の文字の行で判断します。
「恨み」は「み」でマ行、「忍び」は「び」でバ行ですね。
もちろん、基本形(※終止形)がわかっていれば、その最後の文字で判断してもかまいません。
「恨む」は「む」でマ行、「忍ぶ」は「ぶ」でバ行ですね。
ただ、最初のうちは基本形(終止形)があらかじめ示されていないと、基本形(終止形)はわからないと思います。
ここで、上二段活用の動詞の基本形(終止形)について考えてみましょう。
上で「起く」、また「落つ」という動詞を挙げましたが、これは現代語としては変ですね。
現代語では「起きる」、また「落ちる」です。
上二段動詞については古語と現代語では基本形(終止形)が一致しないんです(※「恨む」「忍ぶ」はこの点でも例外)。
ですから、最初は基本形(終止形)をけっこう間違えます。
それが原因で活用の型も間違えます。
では、どうすれば、基本形(終止形)がわかるのでしょうか。
まず、いったん現代語の基本形(終止形)にしてみてください。
上の例では「起きる」「落ちる」ですね。
そうしても、活用の型は間違えません。
例えば、「起きる」、また「落ちる」でも、「ず」をつけてみると、「起き・ず」、また「落ち・ず」となって、未然形がイ段音ですから上二段活用と判断できますね。
もし、「起きれ・ず」としてしまったのなら、「起きれず」は「起きることができない」の意味で、可能の意味が加わっているので、こういうのはダメなんです。
ここで、最初に、覚えてください、と書いた活用表を思い出しましょう。
再掲します。
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
i | i | u | uる | uれ | iよ |
未然形がわかると、基本形(終止形)もわかることに気がつきましたか。
未然形は“i”で、終止形は“u”になっていますね。
ですから、「起き」ではイ段音の「き」をウ段音の「く」に、すなわち「起く」にすれば、それが基本形(終止形)なんです。
「落ち」ではイ段音の「ち」をウ段音の「つ」に、すなわち「落つ」にすれば、それが基本形(終止形)なんです。
ですから、上二段活用であることと未然形がわかれば、基本形(終止形)も、実はわかるんです。
最後に上二段活用の動詞で、ヤ行の動詞、以下3つ覚えておきましょう。
「老ゆ」「悔ゆ」「報ゆ」
の3つです。
なぜかというと、例えばこれらが未然形の時など「老い」「悔い」「報い」となって、ア行かヤ行か区別がつかないのですね。
おっと忘れてました、なぜ上二段活用と呼ばれるのか、説明しておきましょう。
活用表をまたまた掲示します。
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
i | i | u | uる | uれ | iよ |
“i”と“u”で活用していますね。
つまり、イ段音とウ段音で活用しています。
五段音を縦にして考えてみると、ウ段音は真ん中ですが、イ段音も合わせて考えてみると、全体的には上の方です。
上の方の二段音を使って活用するので、
上二段活用
なんです。
さて、以上で上二段活用の学習は終わりです。
9つある活用の型もあと残り2つです。
次回は、残りの2つのうちの1つ、下二段活用について学習します。
今回も、問題を解いて体得して、次に進みましょう。
(問題は後日添付)
PR
この記事にコメントする